アメリカの医療・病院経営学部 (MHA) の誕生への道のり:②ケロッグ財団誕生

1930年にケロッグ氏は社会に貢献するためにケロッグ財団を設立し、コーンフレークから得た自分の財産を寄付したのである。ケロッグ氏自身が病院の運営に携わり、病院の運営の改善の必要性を痛感していたので、1930年頃から優れた病院経営者の育成を目指してアメリカの大学に病院経営学修士課程(現在の医療経営学修士課程に相当する)の設立を思いついた。そこで、ケロッグ財団が巨額な資金援助をしたのである。ケロッグ氏の病院経営に対する熱意はアメリカの大学院に終わらず、カナダ、南米、オーストラリアの大学院にまで拡大された。

アメリカの病院経営学がここまで発展したのはケロッグ氏のコーンフレーク抜きでは語れないのである。現在でも、アメリカの医療関係大型プロジェクトには、ケロッグ財団のような大手財団が資金援助をしている。例えば、カーネギー財団:今から100年前、アメリカの医学部のレベルアップを目指す調査が実施された。
全米の医学部、医学校を対象に訪問調査が行われ、報告結果は1910年にフレクスナー・レポートとして一般に公開されている。その調査を全面的にバックアップしたのはカーネギー財団だ。その他、ジョンソン&ジョンソン財団、ロックフィラー財団、カイザー・ファミリー財団も常に医療関係のプロジェクトのサポートをしている。このサポート体制が、アメリカの強さに繋がっているのかもしれない。
~次回に続く~ 

なお、詳しくは私の著書の「病院の外側からみたアメリカの医療システム」の中の<アメリカの医療経営教育の歴史から現在に至るまで>のゲーリー・ファイラーマン博士とリード・モートン博士とのインタビュー談にも参照下さい。 

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